ビットコイン暴落にも影響…「ハードフォーク問題」は回避できる?

ビットコイン分裂騒動と相場の関係

2016年頃からビットコインのブロックサイズ問題により、慢性的な送金遅延が発生していました。

この問題を解決するために開発者グループがSegWitを実装することを提案し、マイナーグループが反対しました。

2017年には既にプログラムにSegWitが実装されていたにもかかわらず、この対立が原因でアクティベートされることなく、送金遅延問題が続いていました。

一部のマイナーグループは、SegWitを導入しない代わりにブロックサイズの上限を撤廃することで送金遅延問題を解決する方法を提唱し、Bitcoin Unlimitedと呼ばれています。
世界中の主要取引所はSegWit導入を支持することで、多くのマイナーがBitcoin Unlimited不支持を表明するようになりました。

マイナーと開発者との対立に痺れを切らしたユーザによってBIP148(UASF)が提唱されました。
BIP148の内容ですが、8月1日以降についてSegWitに賛同しないマイナーが採掘したブロックは認めないこと、ASIC BOOST(採掘機)を利用して採掘したブロックは認めないこと、の2点です。

ASIC BOOSTの製造を行う会社とマイニングプールはこの提案に反発し、ビットコインの分裂する可能性が現実味を帯びるようになってきました。
最終的に8月1日に従来のビットコインと、ブロックサイズを拡大したビットコインキャッシュに分裂しました。

「ビットコインの問題点」ブロックチェーンの分裂による被害とは?

ビットコインのブロックチェーン分裂で最も心配されていた被害は、分岐したチェーンのどちらか片方のチェーンが排除されることで分裂後の取引が全部キャンセルされてしまう事です。

仮に両方のチェーンが安定・共存することができても、資金が2種類の仮想通貨に分かれることでビットコイン価格が下落する可能性も考えられました。

この理由は、ブロックチェーンの分岐が発生すると、双方の仮想通貨で分裂前のチェーンの取引は正統な物として扱われます。

このため、分裂前にビットコインを所有していた人は、同額のビットコインキャッシュがもらえることになるからです。
他にも、ビットコインのマイナーが減少することでブロック生成時間が長くなり、送金遅延が発生する可能性もありました。

8月1日の夜に478559以降のブロックで実際に分裂が発生しましたが、ビットコインキャッシュのマイニングに参加したマイナーは全体の1%程度に過ぎず、ビットコインのマイニングには何ら影響がありませんでした。
ビットコイン価格についてもSegWit導入の期待感から価格が上昇し、8月中に1BTCあたり40万円を突破しています。

8月1日の分裂騒動ではビットコインのマイニングや価格面で大きな被害がありませんでしたが、SegWit2xの導入を巡って再び分裂問題が発生する可能性が指摘されています。

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